在宅酸素療法【HOT】で介護職員ができること、できないこと

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介護職員として、在宅酸素療法を受けている方と接したことはありますか?

「在宅酸素療法の機器の扱いがわからない」
「介護職として、どこまで在宅酸素療法の対応ができるのか?」
「看護師がいない時に体調が悪くなったらどうしよう?」

在宅酸素療法を受けている方と関わる時、
現場での判断に迷ったり、不安を感じたりすると思います。

私はケアマネジャーとして、一人の利用者のショートステイ利用を検討したことがあります。
その時に、在宅酸素療法の機器の取り扱いや、入浴時の対応に不安を感じました。

ショートステイ先に看護師が常駐していなかったからです。
その時は先輩ケアマネジャーや、施設の管理者に相談して何とか乗り越えられました。

しかし現場で直接対応する介護職員は、私以上の不安を感じていたかもしれません。

今回は、介護職員が在宅酸素療法にどう関わるべきかをテーマにお話しします。
現場で介護職員が、取り扱いできる範囲について整理いきましょう。

ポイントとして、次の3つの視点から考えていきます。

・法的根拠の理解
・看護師と介護職員の役割の違い
・緊急時を想定した対応の準備

不安にならないためには、正しい知識や事前の準備が必要です。
法的な枠組みや医療職との役割分担、そして緊急時の対応について一緒に確認しましょう。

この記事が、皆さんの安心と自信につながる一助となれば幸いです。

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【厚労省の発信】介護職員が関われる範囲

まずは、介護職員が在宅酸素療法にどこまで関われるのか?
そもそも関われる仕事の範囲に疑問があると思います。

まずはしっかりと法的根拠を理解しましょう。
法的に関わることができる範囲は、主に環境整備の設定までです。

・在宅酸素療法をはじめる前の機器の準備
・在宅酸素療法離脱後の後片付け
・酸素供給装置の加湿瓶の蒸留水を交換する、機器の拭き取り

主に機器の準備や片付け、蒸留水の交換までが関われる範囲です。
機械の設定や操作、カニューレ等の扱いのほとんどは医療行為にあたります。

そして以下の行為は、条件付きで認められています。

酸素量の設定
・医師の指示がある
・利用者が、酸素マスクや経鼻カニューレを装着していない

酸素流入中の酸素マスクや経鼻カニューレがずれた場合、酸素マスクや経鼻カニューレを元の位置に戻す
・肢体不自由等により、自力で酸素マスクや経鼻カニューレを戻すことが困難である患者
・睡眠中や意識がない状態で、自力で酸素マスクや経鼻カニューレを戻すことが困難である患者

では根拠となる法律上、発信されている内容を見ていきましょう。

・在宅酸素療法を実施しており、患者が援助を必要としている場合であって、患者が酸素マスクや経鼻カニューレを装着していない状況下における、あらかじめ医師から指示された酸素流量の設定、酸素を流入していない状況下における、酸素マスクや経鼻カニューレの装着等の準備や、酸素離脱後の片付けを行うこと。ただし、酸素吸入の開始(流入が開始している酸素マスクや経鼻カニューレの装着を含む。)や停止(吸入中の酸素マスクや経鼻カニューレの除去を含む。)は医師、看護職員又は患者本人が行うこと。

・在宅酸素療法を実施するに当たって、酸素供給装置の加湿瓶の蒸留水を交換する、機器の拭き取りを行う等の機械の使用に係る環境の整備を行うこと。

引用元:医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(その2)〔保健師助産師看護師法〕(◆令和04年12月01日医政発第1201004号)

さらに注釈として

在宅酸素療法を実施するに当たって、酸素流入中の酸素マスクや経鼻カニューレがずれ、次のいずれかに該当する患者が一時的に酸素から離脱(流入量の減少を含む。)したことが見込まれる場合に、当該酸素マスクや経鼻カニューレを元の位置に戻すことも、原則として、医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の規制の対象とする必要がないものであると考えられる。
・肢体不自由等により、自力で酸素マスクや経鼻カニューレを戻すことが困難である患者
・睡眠中や意識がない状態で、自力で酸素マスクや経鼻カニューレを戻すことが困難である患者

引用元:医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(その2)〔保健師助産師看護師法〕(◆令和04年12月01日医政発第1201004号)

このように発信されています。

それからガイドラインには以下の文章があります。

在宅酸素療法を実施しており、利用者が援助を必要としている場合であって、
利用者が酸素マスクや経鼻カニューレを装着していない状況下における、
あらかじめ医師から指示された酸素流量の設定

引用元:原則として医行為ではない行為に関するガイドライン

以上を踏まえると、介護職が関われる範囲は以下の通りです。

【通常行える業務】
・機器の準備・片付け
・加湿瓶の蒸留水の交換、機器の拭き取り

【条件付きで可能な業務】
・医師の指示があり、装着前の酸素量設定
・患者が自力で戻せない場合の、ずれたマスクやカニューレの位置調整

が可能となります。

しかし、現場では色々な状況が考えられます。
例えば、夜間の訪問時や急な体位変換の際など、判断に迷う場面もあります。
介護職員が在宅酸素療法に関わる時には、事前に各自治体に確認しておくことが賢明です。

在宅酸素療法で看護師ができて介護職員ができないこと

現場では、看護師と介護職員ができることの違いが曖昧になってしまう時があります。
特に利用者や家族から、知らずにお願いされて困る時もあるでしょう。

看護師ができて介護職員ができないことーーそれは「医療行為」です。

医療行為にあたるのは、医学的な技術や知識があってできること。
わかりやすいのは、注射などの人の身体を傷つける行為(侵襲的行為)です。

法規によると「医業」と表現されています。

「医業」とは、当該行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為(医行為)を、反復継続する意思をもって行うことであると解している。

引用元:医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(その2)〔保健師助産師看護師法〕(◆令和04年12月01日医政発第1201004号)

では在宅酸素療法で医業にあたる行為は具体的に何か、確認しましょう。

はっきりと厚労省の発信にあるのは次の行為です。

・酸素吸入の開始(流入が開始している酸素マスクや経鼻カニューレの装着を含む)
・酸素吸入の停止(吸入中の酸素マスクや経鼻カニューレの除去を含む)
・利用者が酸素マスクや経鼻カニューレを装着している場合の酸素流量変更

つまり、在宅酸素療法で使用する機械の操作は原則として介護職員は行うことができなせん。

そして、利用者やその家族から頼まれることがあるかもしれませんが、
酸素吸入中の、酸素マスクや経鼻カニューレに触れる行為が禁止となります。
医師または看護師、もしくは利用者本人が行う必要があります。

【急変や機器トラブル】在宅酸素での緊急時の備え

もし利用者の体調が急変したら?
在宅酸素の機器にトラブルがあったら?

介護職員としてどこまで対応できるのか不安になりますよね。

こうした緊急時に備えて、事前の準備と医療との連携がとても大切です。

・疾患や機械で起こり得るトラブルを想定して、対応マニュアルを整備しておく
・担当の医師や看護師と連携し、迅速にサポートを受けられる体制を整える

そして想定外のトラブルが起きたときは、自己判断は避けることです。
まずは専門職に相談して、適切に対応しましょう。

この章では、トラブルへの備えと医療職との連携について、具体的に解説していきます。

在宅酸素を利用している方に起こり得るトラブルとな何なのか?

主に起こり得るトラブルは次の2つです。

・利用者の体調の異変
・酸素機器のトラブル

事前に対応を決めておくと、急なトラブルにも冷静に対応できます。

体調の異変については、事前に基準をしっかりと決めておくと安心です。
具体的な例としては次のような症状です。

・チアノーゼの疑いがある(顔や唇の色が紫色)
・胸の痛みがおさまらない
・安静にしてもSPO2が基準値を下回る
・1分間の呼吸数が、基準値まで下がらない
・声をかけても反応が鈍い

これに限らず事前に担当医と緊急連絡の基準を決めておきましょう。
また、初期対応の方法ついても確認が必要です。

酸素機器のトラブルは以下の状態です。

・機器自体の故障
・酸素のストックが不足する
・停電などの電気の供給がなくなる

在宅酸素の機器トラブルでは、警報音が鳴るように設定されています。
警報音が鳴ったときの初期対応や停電時など、起こり得るトラブルに対して
どう対応するのか?

しっかりと医療や機器のメーカーとの連絡が取れるように準備しておきましょう。

具体的に医療との連携の方法、機器トラブルを想定した対策について述べていきます。

大切なのは医療との連携

・救急車をよぶ必要があるのか判断ができない
・祝日など、医療機関が休みの日の対応が不安

祝日や日曜に限って、想定外の事態が起こることがあります。
例えば休日に酸素濃度が急に下がり、対応に困った方もいるのではないでしょうか。

そんな時こそ
医療スタッフへの、緊急時の連絡を取り決めておく準備は必要です。
それも24時間体制で連絡ができる体制です。

例えば、以下のような準備が考えられます。

・かかりつけ医や医療機関の連絡先を事前に確認する
・訪問看護を利用していれば、24時間連絡がとれる体制にする(緊急時連携加算)
・#7119など、救急車を呼ぶ前に相談できる連絡先を確認しておく

介護職員が、医療機器のトラブルでできる対応には限りがあります。
そして、なぜか看護師が不在の時間に限ってトラブルが起きてしまいます。

デイサービスやショートステイ、あるいは訪問介護では困ってしまいますよね?
きちんと判断ができる医療職に速やかにつながれる体制は必要事項です。

また、救急搬送の場合も待機時の初期対応をマニュアル化しておくことも大切です。

ちなみに訪問看護をまだ利用していない場合は、新たに導入を検討するのも一つの方法です。
在宅酸素療法の方は、定期で体調確認ができる訪問看護は利用者やご家族も安心すると思います。

メーカーとの連絡先も確認しておく

・機会の警報音が鳴っても対応がわからない
・煙が出るなど、明らかな故障が起きたらどうしよう
・停電などの電気供給がなくなったらどうしよう

など、機器自体のトラブルも想定できます。
まして医療機器を介護職員が触れてよいものか、わからないですよね?

まして、酸素機器の種類(酸素濃縮器、液体酸素、ボンベなど)によって対応も異なります。

だからこそ、事前にメーカー連絡を取り、対応方法を確認しておきましょう。

確認しておきたいポイントは以下のような内容です。

・警報音、警報ランプへの対応方法
・停電時に備えた代替手段や準備すべきもの
・緊急時に連絡すべき窓口や担当者の連絡先

など、機器トラブルに対しても、初期対応や連絡先を決めておくと安心です。

注意として、自己判断で機器に触れるのは絶対にやめましょう。
必ず決められた手順に従い、適切な対応を行うことが大切です。

介護職員としての役割は、利用者の安全を守ること。
そのためにも、決められたことを確実に実行する姿勢が求められます。

まとめ:コンプライアンスを理解して緊急時に備える

介護職員として在宅酸素療法の利用者に関わるなら、

・コンプライアンスを理解する
・事前に緊急時の対応を確認、取り決めをする。

この2点をしっかりと意識します。
そして安心・安全な支援につなげていきましょう。

具体的には次の3つのポイントを押さえておきます。

・法令で認められている範囲を理解する
・緊急時における、取り決めを事前に行っておく
・困ったときに備えて、24時間体制の連絡先を決めておく

補足ですが、特に判断や対応に困るトラブルがあった時、
どうしようと不安になるかと思います。

そんな緊急時に備えて、訪問看護の利用を勧めるのも一つの方法です。

・日々の体調確認を定期的に看護師が行う
・緊急時連携加算で24時間、家族も相談できる体制を作れる

このようなメリットがあります。
本人にとっても家族にとっても安心できるサービスです。

介護職員にとっても、在宅酸素療法の関わり方には不安があるかと思います。
不安にならないためには、正しい知識や事前の準備が必要です。

そして、不安なく対応ができ、利用者の安心につなげましょう。

介護職員に関わる仕事で、服薬介助について述べている記事もあります。
介護職員がどこまで対応できるのか?不安な方はご覧ください。

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