【守るべきは利用者だけじゃない】介護職員を守る認知症利用者の暴言・暴力対策

本記事はアフィリエイト広告を利用しています
スポンサーリンク

認知症利用者からの暴言や暴力に、つらい思いをしていませんか?
利用者からの暴言や暴力で、心がすり減っていませんか?

私が認知症対応型のデイサービスで勤務していた時は、暴言や暴力は毎日のようにありました。

・挨拶をしただけで、怒鳴られる
・送迎中に後ろから殴りかかられる
・外部からの電話対応中に「うるさい!」と怒鳴られる

いずれも利用者にとっては、理由があったと思います。
しかし職員としては暴言や暴力が続くと、とてもつらいですよね?

そんな毎日、利用者のために働いている方へ。
今回は認知症利用者からの暴言や暴力から自分の身を守ることがテーマです。

・職員を守ること法的根拠で考える
・組織として職員を守る方法
・現場で職員を守る方法

この3つのポイントから、一緒に考えていきましょう。

認知症利用者にとって、暴言や暴力は何かしらの「SOS」だったりします。
つまり本人にとっては、何らかの理由があるのです。

そのため現場では、つい「認知症だからしょうがないよね」となることがあります。
そして職員が我慢してしまう構造になりがちです。

しかし我慢を続けて、心や体を壊してしまっては元も子もないのです。

ただし、不適切ケアなどがないこと。
つまり認知症の方に対するケアを適切に行っていることが前提です。

では、まずは法的根拠から確認していきます。

※認知症ケアの基本対応は以下の記事があります。
 参考にしてみて下さい。

スポンサーリンク

暴言・暴力から職員をまもる法律

介護職員は、利用者を支える立場であると同時に、自身も守られるべき存在です。
その根拠となるのが、以下の2つの法律です。

労働安全衛生法:職員が安全かつ健康に働ける職場環境を整備する義務がある
労働施策総合推進法(パワハラ防止法):ハラスメント防止の体制整備が求められる

認知症の利用者からの暴力に対しては、この2つの視点から職員を保護しなければなりません。

知症利用者の暴言や暴力には、利用者自身の不安や混乱といった背景があります。
介護職員はその不安や理由に寄り添って、ケアを行う姿勢が求められるのです。

しかし、受け容れる過程で、職員は暴力や暴言を間近で受け止めている現実もあります。
暴言や暴力に対して、自分の感情を抑えて対応しているのです。

これはまさに「感情労働」と呼ばれるものです。

・認知症だからしょうがないよね?
・暴言を言われても、上手く対応するのがプロだよ

こうした言葉の裏には、職員が我慢することを前提とした構造が見え隠れします。
しかし、職員だって心や身体に痛みを感じます。
そこには職員の尊厳があります。

認知症利用者の尊厳はとても大切です。
それと同様に介護職員の尊厳もまた、同じくらい守られるべきです。

だからこそ法的根拠に基づいて、介護職員は守られるべき存在なのです。

介護職員の安全と健康を守る(労働安全衛生法)

働く上で介護職員は、何を守られるべきなのか?
それは安全と健康です。

労働安全衛生法では、次の文章が明記されています。

事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。

労働安全衛生法 ( 昭和47年06月08日法律第57号)

このように労働安全衛生法では、職員の安全や健康の確保が義務付けられています。

では認知症利用者からの暴力や暴言は、この“安全と健康”にどう関わるのでしょうか?

利用者かからの暴力は介護職員にとって、けがを負うようなリスクにつながります。
暴言によっては、精神的な健康を損なってしまいます。

例えば、私は療養型医療施設で患者に殴られることがありました。
一度、目を殴られて腫らしてしまい、眼帯をして仕事をした経験もあります。

突発的な行動には、どうしても対応が難しい場面もあります。
しかし、その日はその方が機嫌が悪く、暴力を振るおうとしている様子が見られていました。
にもかかわらず、その情報が私には共有されなかったのです。

このように、組織や現場の職員が、一緒に働く職員を守れないと
安全が脅かされます。

利用者からの暴言や暴力から、職員を守ることーー。
それは職員の安全と健康を守ることになります。

介護職員をハラスメントから守る

介護現場では、職員が利用者からの暴力や暴言にさらされることがあります。
そうした中で、職員を守るための視点として重要なのが“ハラスメント対策”です。
ハラスメント対策の視点と法的な根拠について整理していきましょう。

そもそもハラスメントとは、「嫌がらせ」という意味からきています。
では、何をもってハラスメントというのか?

介護現場でははっきりとした定義がないのが現状です。
厚労省からのマニュアルにも明記されています。

ハラスメントについて、確定した定義はありませんが、本マニュアルでは、身体的暴力、精神
的暴力及びセクシュアルハラスメントをあわせて、介護現場におけるハラスメントとしています。
具体的には、介護サービスの利用者や家族等※からの、以下のような行為を「ハラスメント」と
総称しています。
※利用者や家族等の「等」とは、家族に準じる同居の知人または近居の親族を意味します。

1)身体的暴力
身体的な力を使って危害を及ぼす行為。
例:コップを投げつける/蹴られる/唾を吐く
2)精神的暴力
個人の尊厳や人格を言葉や態度によって傷つけたり、おとしめたりする行為。
なサービスを要求する
例:大声を発する/怒鳴る/特定の職員にいやがらせをする/「この程度できて当然」と理不尽
3)セクシュアルハラスメント
意に添わない性的誘いかけ、好意的態度の要求等、性的ないやがらせ行為。
例:必要もなく手や腕を触る/抱きしめる/入浴介助中、あからさまに性的な話をする

厚生労働省:介護現場におけるハラスメント対策マニュアル

そして、認知症利用者からの暴力や暴言などについては、
次のただし書きがあります。

認知症等の病気または障害の症状として現われた言動(BPSD※等)は、
「ハラスメント」としてではなく、医療的なケアによってアプローチする必要があります。

厚生労働省:介護現場におけるハラスメント対策マニュアル

つまり認知症利用者のハラスメントについては、適用が微妙な所があります。
そして、ハラスメントが適用されるかは慎重な判断が必要とされています。

しかし、認知症利用者へのハラスメントの適用は難しいですが、職員の安全は配慮する必要があります。
たとえ認知症による言動でも、職員の安全を守るために、ハラスメントと同様の対応が求められます。

そしてハラスメントか、BPSD等による言動かの判断も必要です。
それは施設・事業所だけで判断しないこと。
利用者の主治医(かかりつけ医)やケアマネジャー等の意見も確認しながら判断することが大切です。

組織として暴言や暴力から職員を守る方法

利用者からの暴言や暴力に直面したときに、職員に必要なのは「安心感」です。
特に大切なのは、「自分は組織に守られている」という安心感です。

労働安全衛生法の観点からも、職員の安全と健康を守ることは、組織の責任とされています。

では組織としてどのような対応が求められるのでしょうか?
以下の3つの取り組みが、職員を守るための柱となります。

・暴言・暴力への対応マニュアルの整備
・専門家へ相談できる体制の整備(弁護士、医師、ケアマネジャーなど)
・暴言・暴力を受けている職員へのケア

の3つを中心に組織としては職員を守る必要があります。

職員を守る体制があることは、職員の安心につながります。
こうした体制が整っていることで、職員は1人で抱え込んで思い詰めずにすみます。

たとえばケアがうまくいかずに暴言や暴力を受けたとします。
そんな時に戸惑い、自分を責めたことはありませんか?
「何がいけなかったんだろう」…と

でも職員を守る体制がしっかりしている。
そうすると「これは自分の責任ではなく、組織全体で考えるべき課題だ」と捉えられます。

暴言や暴力への初期対応のマニュアル化

突然の暴言や暴力に冷静に対応するには、事前の準備がとても大切です。
そのためにも、まずは初期対応マニュアルをしっかり確認しておきましょう。

また、マニュアルの整備や定期的な研修を実施すること。
職員一人ひとりが対応方法を理解すること。
そして安心して行動できる体制を整えることが、組織としての大切な役割です。

現場で働く皆さんが「どうすればいいか分かる」状態でいる。
それは心の余裕にもつながります。

例えば

・1対1で対応せずに2名以上で対応する
・その場にいる職員と交代して、別の職員が対応する
・暴言や暴力に至った経緯を記録しておく

など、事前に対応のマニュアルを、しっかりと把握しておきましょう。
※もしマニュアルが整備されていない場合は、必要性を上司に伝えることも大切な一歩です。

まずは暴言や暴力が起こらないよう、日頃から丁寧なケアを心がけること。
そして、万が一のときに備えて、初期対応のマニュアルを確認し、準備をしておくこと。

あなた自身を守るために、できることを一つずつ整えていきましょう。
あなたの安全と心の平穏が、何よりも大切です。

暴言や暴力を専門家に相談できる体制(弁護士、医師、ケアマネ等)

認知症利用者からの暴言や暴力に向き合う時、現場の職員だけでは負担が大きいときがあります。
そんなとき、組織が様々な専門家へ相談できる体制は、とても大切です。

認知症利用者のBPSD(行動・心理症状)には、専門家による多角的な視点が必要であり、
かつ、総合的は判断が求められるからです。

具体的には以下のような体制があります。

・専門医へ服薬内容や、精神科への入院の相談ができる
・トラブルによる家族からの理不尽な要求に対して、弁護士へ法的な相談ができる
・管理者がケアマネジャーや家族への提案ができる

私が勤めていた認知症対応型のデイサービスでは、利用者が興奮してしまう時がよくありました。
施設から出ていこうとしたり、他の利用者に暴力行為をおこなったり…。

対応する介護職員にとっては、負担が大きすぎる方がいるのです。
その結果、このような影響が出てしまいます。

・他の利用者も一緒に興奮してしまう
・興奮している方につきっきりになり、他の利用者をみられなくなる
・食事の準備など、担当している仕事に支障がでてしまう。

また、BPSD(行動・心理症状)としての症状が大きいと、施設の利用自体も難しくなります。
そのため、管理者は家族、あるいは病院へ連絡をとって専門医へ薬の見直しなどの依頼をしていました。

職員にとっては、いつまで対応をするのかなどがはっきりしていると前向きになれますよね。
受診の結果、薬の内容が変更になり、BPSD(行動・心理症状)が落ち着いた方もいました。

単に職員を守るだけではなく、利用者にとっても施設を利用できる。
あるいは家族も安心して預けられるイメージにもつながります。

暴言や暴力があったとき、組織として専門家に相談できる体制があるかどうか
それは、私たち介護職員が安心して働き続けるための土台です。

「何かあっても、ちゃんと守ってもらえる」

そう思えるだけで、心の負担はずいぶん軽くなるのです。
そして利用者やご家族にとっても、安心して施設を利用できる環境につながります。

暴言や暴力で傷ついた職員へのケア

利用者からの暴言や暴力に、傷ついたりしていませんか?

暴言や暴力を受けた心のケアは、とても大切です。
職員が仕事を続ける上で、精神的な健康を保てるからです。

たとえ表面上は平気に見えても、心の中では深く傷ついていることがあります。
そのつらさを、ひとりで抱え込まないようにしましょう。

あなたに原因があるのではありません。
問題の根っこは、組織の中にあります。

・上司がしっかりと状況を把握し、組織として対応すること
・どのような気持ちになったか、上司を始め周囲のスタッフが話を聴く
・必要に応じて、利用者との距離をとれるような配慮をすること

こうした対応を通して、職員一人ひとりの気持ちに寄り添うこと。
そして、安心して働ける環境を整えることが大切です。

真面目に仕事をしている人ほど、悩んでしまいます。
そして、その悩みが積み重なり、不本意に続けられない状況に追い込まれることもあるのです。

暴言や暴力を受けた職員へのケアは、組織としてしっかりと行うべきです。
そして、あなた自身も周囲に頼ってください。
一人では抱え込まないことです。

個々で暴言や暴力から身を守る方法

現場では自分をしっかりと守ることも大切です。
たとえ組織として守る体制があっても、すべてをカバーするのには限界があります。

マニュアルがしっかりあっても、その通りにはならないのが現実です。
むしろ、マニュアルでは対応しきれない場面で介護職員が困っている。
それが実情ではないでしょうか。

対応できない暴力や暴言については、その場で解決しようとしないことです。

自分を守るための基本的なポイントは、次の3つです。

・まずは初期対応として、できる限り適切なケアを行う
・暴力や暴言に対して、正当防衛と過剰防衛を理解して対応する
・記録を残しておく(5w1ℍ)

最初にできることを行い、法的な視点も理解しておくことが、あなた自身を守る力になります。
そして何より、記録を丁寧に残すことです。

利用者のために必要なケアを行うことは、結果として自分を守ることにもつながります。
自分の心と体を守るために、できることを一つずつ実践していきましょう。

それでは、具体的な方法を見ていきましょう。

まずは認知症利用者への初期対応をしっかり行う

暴言や暴力行為に対して、まずは初期対応をしっかり行うことが大切です。
職場で決められた対応マニュアルがある場合は、それに従って冷静に対応しましょう。
適切な初期対応は、自分自身を守ることにもつながります。

一方で不適切な対応は、かえって暴言や暴力を引き起こす原因になることもあります。
たとえば、以下のような行動には注意が必要です。

・突然、背後から声をかけていないか
・不必要に大きな声や、強い口調になっていないか
・利用者の言っていることを頭ごなしに否定していないか

少なくとも利用者を不安にさせたり、驚かせたりするような言動は避けましょう。

暴言や暴力から身を守るためには、まず原因や理由になることを排除する。
特に自分自身が原因とならないように、初期対応をしっかり行いましょう。

適切な初期対応は、自分の身を守る行動につながります。

対応の基本については、次の記事を参照にしてみてください。

暴力行為に対する正当防衛と過剰防衛をきちんと理解しておく

暴力行為に対して、やむを得ず利用者を抑えてしまう時もあるでしょう。
そのような時に備えて、正当防衛と過剰防衛の違いを理解しておくと自分の身を守ることになります。

行き過ぎた対応は、過剰防衛として虐待と取られてしまうかもしれません。
そのつもりが無くても、正当防衛の範疇を超えないように注意しましょう。

なお、正当防衛が認められるには「必要な範囲内」であることが条件です。
これを超えた場合、「過剰防衛」となり、状況によっては処罰の対象になることもあります。

正当防衛については、刑法36条で明記されています。

第36条 急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
2項 防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

引用;刑法第36条第1項(法令リードより)

細かく確認していくと

・急迫不正の侵害に対する行為
・自己または他人の権利を防衛するため
・やむを得ずにした行為である

つまり、利用者側に不正がある行為で、差し迫った状況かつ今すぐに対応が必要である状況。
自分あるいは他の利用者や職員の、身体的な安全が侵されている時です。

※暴言のみでは正当防衛になることは少なく、身体的な危害が差し迫っている状況に限られる場合が多いです。

例えば、暴力に対しては予測不可能で、突然の出来事である。
職員の身体に直接危害がある、あるいは他の利用者や職員に危害が及びそうな状況です。

突発的で、逃げるなどの選択肢がなく利用者の動きを力で制止してしまった。
あくまでも、行動を制止するのみでそれ以上の危害は加えていない。

といった行動です。

このように、自分の身を守る行為がどこまで正当防衛になるか。
きちんと理解をして、行動できる準備をしておきましょう。

暴言や暴力の記録を残しておく

どれだけ適切なケアを心がけても、暴言や暴力行為を受けてしまう時があります。
そのような状況に備えて、日々の記録を丁寧に残すことがとても大切です。

記録は、職員がどのようなケアを行っていたかを示す大切な証拠です。
利用者からの暴言や暴力に職員が、誠実に対応していたことを示す信用の裏付けにもなります。

・5W1Hで事実に沿って明確に記録する
・「~と思う」などあいまいな表現は避け、事実を客観的に記載する
・できる限り主観的な表現を使用しない

このような点に注意して記録を残しましょう。

また、状況によっては画像を記録として残すことが必要になる場合もあります。
その際は、職場で管理されているのスマホやタブレット端末を使用しましょう。

個人のスマホで撮影すると、個人情報の取り扱いに問題が生じる可能性があります。

利用者からの暴言や暴力への対応があった場合は、必ず記録を残しましょう。
それが、自分自身とチームを守ることにつながります。

補足:適切なケアを心がけても、暴言や暴力はうけてしまう

日々、適切なケアを心がけ、誠実に利用者と向き合っている。
それでも、認知症利用者からは暴言や暴力を受けてしまうことがあります。

利用者からの暴言や暴力は単に、認知症だからという理由だけではないからです。

逆に認知症といっても、症状が進行しても穏やかなままの人がいます。
症状に個人差が出るのは、本来の性格が影響しているからです。

だからこそ、職員は全ての原因を自分に向ける必要はありません。
私たちのケアで精一杯、できることをしたのであればそれでいいんです。

認知症対応型のデイサービスでは、暴力・暴言があるのは特定の方が多かったです。

・女性に対してだけ、怒鳴ったり横柄な態度をとる
・前の席の人が、コップを置いただけでも急に怒る

など、不可解な理由で起こり出す場面は珍しくなかったです。

どんなに丁寧なケアをしていても、暴言や暴力に遭遇することはあります。
でもそれは、あなただけに原因があるわけではありません。
認知症の利用者と接していると、起こりうることなのです。

暴言や暴力から逃げるという最後の手段

利用者からの暴言や暴力にどうしても耐えられず、このままでは精神的につぶれてしまうーー。
そこまで追い詰められているなら、逃げてもいいと考えましょう。

追い詰められるまで利用者に向き合ったのですから、これ以上は頑張らなくても大丈夫です。
精神的につぶれてしまう前に、行動しましょう。
具体的に以下のような方法が選択肢としてあります。

・特定の利用者の対応は他の職員に任せる
・配置転換や異動を希望する
・思い切って転職する

こうした選択によって、認知症の利用者と距離を置くことができます。

介護の仕事をする上では、認知症の利用者とは関わらないことはないでしょう。
しかし、方法によっては関わり方や、関わる割合を減らすことができます。

今の状況を回避して、利用者との関わり方を変える。
どうしてもつらいなら、このような選択肢を考えていきましょう。

より具体的に、「対応方法」「異動」「転職」の3つの視点から詳しく見ていきましょう。

暴力を受けている利用者の対応を人に任せる

もし、特定の利用者からずっと暴言や暴力を受けている。
それが繰り返されるのであれば無理をせず、対応を他の職員に任せましょう。

人間同士ですから合う、合わないはあります。
認知症の方であっても、接する職員によって顔色や態度が変わるのは珍しくありません。

年齢や性別、体格や雰囲気など、利用者はよく観察していて、敏感に感じ取っています。

私が認知症対応型のデイサービスに勤務していたときのことです。
ある利用者から、私はよく怒鳴られていました。

その方は、年齢が若い人を自分より下に見ていたようでした。
そのため私の支援を拒否することが多かったのです。

一方で、年配のスタッフには素直に支援を受け入れておられました。
もしかしたら、あまり若い人の介助は受けたくない。
そんなプライドがあったのかもしれません。

そこで対応は他の職員にお願いして、その分、他の利用者の対応にあたりました。
他の利用者の中には、私の介助を快く受けて下さる方がいたからです。

このように職員それぞれに、相性が良い人とそうではない人がいます。
だからこそ対応を他の人に任せることは、より良い支援のための工夫と言えるのです。

ただし、特定の人に頼りすぎることは仕事の負担が偏ることになります。
他の人に任せた分、自分自身も他の仕事を負担を担うことが大切です。
お互いに支え合いながら、チームで乗り越えていきましょう。

異動で認知症利用者との関わり方を変える

認知症の利用者との関わりで、暴言や暴力に悩んでいる方へ
どれだけ丁寧に接しても、心がすり減ってしまうことがあります。
そんなとき、「異動」という選択肢を考えてみるのもひとつの方法です。

異動によって、接する利用者のタイプや支援のスタイルが変わってきます。
例えば

デイサービス:比較的介護度の軽い方が多く、明るくにぎやかな雰囲気の中で働けます。
訪問介護:一対一でじっくりと向き合え、落ち着いた関係性を築きやすいです。

このように、自分に合った関わり方が見つかることもあります。
環境が変わることで、利用者への接し方や捉え方が変わり、自分自身の成長にもつながるはずです。

働いている法人や事業所が入所施設やデイサービス、訪問介護など広く事業展開している。
そのような環境であれば、上司へ相談してみましょう。

前向きにとらえて、異動を考えてみませんか。
介護の仕事で自分に合った利用者との関わり方が見つかるかもしれません。

限界なら転職を視野に入れる

認知症利用者へのできる限りのケアをして、それでも限界を感じることがあります。
そして、組織が職員を守ってくれていないーー。

そのように状況であれば、転職を考え始めても良いといえます。

自分自身がつぶれてしまうまで、仕事を頑張る必要はないからです。
また、精神的に余裕がないと、利用者へのケアの質は保てなくなってしまいます。

まして、職員を守る体制が整っていない職場に、居続ける必要はありません。

・「認知症だから仕方ない」と済まされ、組織が何も対応しない
・あなた個人の問題として扱われ、具体的な対策が話し合われない
・日々、利用者への対応が上手くいかなくなっていると感じる

このような状況に心当たりがあるなら、すぐにでも環境を変える準備を始めましょう

まずは、転職サイトに登録してみるのがおすすめです。
登録するだけでも、「動き出した」という実感が得られ、次の一歩が踏み出しやすくなります。

\ 無料で登録できる転職サイトはこちら /

生の情報満載 介護・福祉の転職サイト『介護JJ』

資格・経験を生かして好条件で転職
介護専門求人サイトかいご畑

介護の転職なら『クリックジョブ介護』

どうか、あなたが安心して働ける場所で、笑顔を取り戻せますように。
まずは、小さな一歩から始めてみてください。

精神的に限界を感じている時は、転職を視野に入れた行動をおこす。
それも選択肢のひとつです。

まとめ:認知症利用者にも介護職員にも尊厳はある

認知症の利用者からの暴言や暴力にどう向き合い、職員をどう守るか。
法的な根拠と、組織・現場それぞれの対応策についてお伝えしました。
最後に、ポイントを整理してまとめます。

職員を守る法として、以下の2つの法律があります。

労働安全衛生法:職員が安全に働ける環境を整える義務
ハラスメント防止法:ハラスメントを防止する体制の整備

ただし、認知症利用者の場合はハラスメント行為には注意が必要です。
認知症の利用者による言動は、意図的なハラスメントとは異なる場合も多く、対応には慎重さが求められます。
ハラスメントの適用よりも、職員の安全を配慮する必要性を重視しましょう。

組織として職員を守る方法としてできることは以下の通りです。

対応マニュアルの整備:暴言・暴力への具体的な対応策を明文化
相談体制の構築:弁護士、医師、ケアマネジャーなど専門家と連携
職員へのケア:被害を受けた職員の心身のケアを行う

重要なのは「職員が我慢すれば解決する」という雰囲気にならないこと。
組織全体で支える姿勢が、安心して働ける環境をつくります。

現場で職員一人ひとりが自分を守るために、次のような行動が大切です

適切な初期対応:利用者の状態に応じたケアを心がける
正当防衛と過剰防衛の理解:自分の行動が法的にどう評価されるかを知る
記録の徹底:5W1Hを意識して、事実を正確に記録する

自分の身を守るためにも、できることを確実に行いましょう。

もし、組織として十分なサポートが得られず、自分自身が限界を感じているなら、
環境を変えることも選択肢のひとつです。

もし組織として職員を守られていない、そして自分自身が限界を感じている。
そのような状況であれば、環境を変えることも選択肢のひとつです。

認知症の利用者による暴言や暴力は、介護職員にとって大きな負担です。
利用者の尊厳を守ることはもちろん大切ですが、職員にも同じように尊厳があります

「認知症だからしょうがないよね」

このような一言で片付けないで、職員が守られる職場にしましょう。
それが結果として、利用者にとってもより良いケアに繋がるのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました