【経験談】務めていた介護施設がブラックな職場でした

今回は私が過去に務めていた、とてもブラックな介護施設について話していきます。
ちなみに今はいろいろあって閉鎖して、経営者は禁固刑を受けています。(もう出所しているかな？)

この施設には３年、務めていました。
ここまでブラックな施設はその後の人生で見たことがないです。
その中で得た経験はある意味では、とても貴重なものとなってます。
皆さんが働いている、あるいは働こうとしている施設がブラックであるかの判断材料に少しでもなればと思います。

経営は個人経営で独裁状態

療養型病院になりますが、まずは病院長が経営者であり、理事会が家族で固められています。
院長兼経営者・・、独裁状態ですね。

施設内では経営者が言ったことは絶対です。
何があっても絶対です。

優先順位の低い仕事を指示されても、それが経営者であればすぐに実行です。
私は経営者から、ツバメが巣を作っていたので、その下に補助用の板をあてがえと言われました。
たまたま通りがかりで、食事介助中の私が目に入ったから指示をしたのだと思います。
私は利用者の食事介助を優先して、それが終わったら行動しようとしていたら怒られました・・。

頭の中はクエスチョンマークでいっぱいでした。
その後、上司からも

と注意を受けました。
利用者を後回しにして、経営者の都合を最優先する

このようなことは日常茶飯事です。

当然、職員の不満はたまるばかりで、施設内では院長の悪口が飛び交っています。
何か悪いことが起こったり、上手くいかないことがあると院長のせいにすることが多くなります。
そうなると職員はあきらめた態度で仕事をしたり、被害者意識が強くなります。
飲み会なんて開こうものなら、愚痴・悪口大会になります。

雰囲気が最悪になることが想像できますよね？

独裁状態と言いましたが、ここまでカリスマ性のない独裁者って珍しいですね。
裸の王様です。

パワハラ・モラハラ・セクハラ

時代を逆行している単語が並んでますが、日常茶飯事でした。
トップもなかなかですが、その下の管理職も相当でしたね。

パワハラ

入職して１か月しないうちに言われたことです。
すみません、私はまともに新人研修を受けていないです。
そのため、わからないから仕事についての質問をしたのですが・・。

当時はなぜか忙しい部署に配属されて、業務後に行われる新人研修に参加ができていませんでした。
そこで直属の上司に、研修が参加できていないことを相談します。

・・そういう問題じゃないんですが・・。

しょうがないので、仕事ができる人についたり、研修を受けた同期に内容を聞いたりして対応しました。
ちなみに受けることができていなかった新人研修は、業務外の強制自己研鑽です。
2時間ほどの研修時間がありましたが、給料は一切出ませんでした。
後の職場では、研修に残業代がしっかりつきました。

その時は、勉強させてもらってお金がもらえるんだ！
と感動しました。

モラハラ

ある部署では、新しく入ってきた看護師が、職場環境を変えようと提案・提言をしていました。
ただ、もともと前職でも管理職であったため、上から指示するだけで行動が伴わないところがあったのです。
その結果、ある時にその部署の職員同士で、話をしている内容が聞こえてきました。

・・結果、その看護師の方は精神的に追い詰められて、体調を崩してしまいました。
その後も仕事中の行動が、どこか挙動不審で不安そうな表情をしていましたが、その後、他部署への異動になりました。

セクハラ

これはひどかったです。
トップを中心に上の立場の人たちが、女性職員だけではなく男性職員にも性的な冗談にもならないことを言ってました。

実際に、女性スタッフの身体に触っている管理職も何人か見ました。
10年以上も前の話ですが、その当時ですら信じられない光景です。
被害を受けた当時のスタッフが、今も元気に働いてくれていることを祈ってます。

経費はできるだけ使わない

ありとあらゆる経費を削減するように言われてました。
ご利用者用の食事の材料費、入浴用のシャンプーや石鹸、トイレットペーパーなど細かい経費を削減、削減です。

・安い石鹸では入浴介助の時に、泡立たないし変なにおいがするし使いにくい
・トイレットペーパーは、引っ張っただけでちぎれる
・施設内の蛍光灯は２灯式ですべて１本、外されている

特に食事は材料が劣悪ですから、ご利用者からの評判は最悪でした。
魚はぱさぱさ、煮物は匂いが変、ご飯はなんか水分が足りない・・。
食事の中で一番、評判が良かったのは購入しているプリンやゼリーでした。

ある目が見えない利用者が、食事後に「ごちそうさまでした」と食事を終わらせようとしていたので、確認しました。

・・用意された食事が、よっぽどお口に合わなかったようでした。

職員は仕事がないから仕方なく働いてます

働いている職員は、色々な方がいました。

元サラリーマン、銀行員、教師などなど。

ある程度、年齢を重ねている方々でそこそこの役職についていた人もいました。
リストラされた人もいたようです。
みんな、年齢も重ねて、なかなか他で雇ってもらえなかった人が集まってきます。
リストラされたり他で雇ってもらえないということ自体が、その人の社会人としての能力に反映されています。

仕方なくここで働いているため、覇気が全くないです。
仕事に対しては積極的になれず、覚える気もないことが伝わってきます。

男性に多い傾向がありましたが、プライドが高いですね。

・仕事の失敗を認めない、
・利用者をどこか見下している、
・若い女性の前だけは張り切る。

しかし、年齢を重ねるほど、仕事をサボることが上手いです。
楽な仕事ばかりを選んで取り組みます。

例えば食事が終わって、車いすからの移乗に介助が必要な方が、ベットに戻れずに困っていました。
しかし目の前にそのご利用者がいるにも関わらず、我関せずといった態度です。
ご利用者には目もくれず、優先順位の低い介護記録を付けてます。

その点について指摘をすると、帰ってきた答えは

指示されなくても、自分で優先順位を考えて動ける人であってほしいのですが・・。
私はそのような姿をみて、今も反面教師としてそうならないように気を付けています。

昇給・有給って何？

地元に帰れない・・。

「有給が使えれば、帰ってこれるよね？」
通っていた学校のクラス会があり、案内の連絡がきたときに言われました。
当時は地元から離れた場所で働いていたため、帰るためには最低でも３日は休みが取れないとゆっくりできません。
ところが、その職場では連休は2日までという、謎の暗黙ルールがあったのです。
そこで、上司に相談してみたのですが・・

え～～～～！？
結果、クラス会には出れず、地元に帰ることもできずホームシックになりかけました。
転職後、有給を初めて使って休みを取ったときは、なんだか罪悪感がありました。

そして今、年間で有給消化を５日間しなければならず、どこで休みを取ろうか悩む時があります。
そんな時、あの頃よりもいい悩み方をしているな～、と感じます。

給料は初任給が延々と変わらない

施設で働いで１年たった時、給料は変わらなかったです。
５年くらい働いている先輩から、ここは最初に給料が決まったら一生変わらないよ。
という話を聞きました。
この１年、入職してから２か月で夜勤を独り立ちし、看護師が少ない日は看護師の仕事も手伝い（業務独占にあたることはやってません、念のため）、体調不良で人手が足りないときは休日出勤してます。

それで手を抜いて仕事をしている、年上の方々よりも給料が低くて、それがずっと変わらない？
一気に仕事に対するモチベーションが下がりました。
唯一のやりがいは、多くのご利用者からの信頼を得ていたこと、感謝の言葉を聞けたことです。

はっきりと転職を意識した瞬間でした。

辞める人はみんな裏切り物あつかい

当たり前に退職者は毎月のようにいます。
みんな、上司や経営者から壮絶な罵倒を受けながら退職していきます。

あるスタッフは上司へ提出した辞表が、経営者へ届けられずに１か月止まってました。
その上司が少しでも長く働いてもらおうと、意図的に先延ばしにしたようです。

辞表は経営者が受理しなければ、退職は認められないとの謎ルールがありました。
つまり辞表を経営者が拒否すれば、退職できないということです。

現在、退職代行という業者があるようですが、ブラックな職場では使わざるを得ないですね。
なんで辞めるだけなのに、お金を払って業者を使う必要がでてしまうのか疑問です。

経営者としては、
「今まで働いてくれて、ありがとう」
このような気持ちを持って、送り出してあげると気持ちが良いのですが・・。
私はやめる時に、当時の看護師長から言われたことが

もうこの人と関係が絶てるとわかっていたので、その言葉に対しては相手にせずスルーしました。
でも、各部署の方には関りがあったので、退職時には謝罪ではなく挨拶をして回りました。

ちなみに看護師長は、病院が閉鎖すると決まったら、退職届も出さずに飛んだと後で聞きました。

そして、閉鎖になりました

現在、この施設は今は閉鎖しています。
職員の人数を水増しすることで、報酬を水増ししていたことが発覚したのです。
あまりにもあからさまで悪質とみなされたため、県から閉鎖の指導が下りました。

実はまだまだ違法行為があったのですが、今回は割愛させていただきました。
その後は、ここまでブラックな職場に務めることはなかったです。
あの時の苦労を考えると、今の職場の環境はとても恵まれていますね。
実はもっともっとエグい話もあるのですが、上手くまとめることができたらまたの機会にでも。
最期まで読んでくださり、ありがとうございました。